0.プロローグ


死が二人を分かつまで。その誓いがこんなにもはやく破られることになるとは、誰も思わなかっただろう。
死を迎える時、人はすべてを悟るという。私は今、それを理解しつつある。
エスクードは、温かな暖炉の炎を思わせる真っ赤な鮮血が、じんわりと雪に吸い込まれていくのを、ただ虚ろに見ていた。
そして、意識が遠のいていくさなかで、エスクードは震えながらもめいいっぱい腕を伸ばしたが、刻一刻と降り積もる静かな雪以外に、その姿を見る者はいなかった。

ーー誰か、これに気づいてくれ。この秘密を、闇に葬ってはならない。ーー